国土数値情報にはさまざまなデータがありますが、今回は行政区域データと鉄道データをQGISに読み込む手順について説明します。(QGIS 2.14.9を使用)
(0) 留意事項
国土数値情報の最新データは、空間参照系がJGD2011(日本測地系2011)になっています(参考:日本測地系2011(JGD2011)とは?)。
QGISでのJGD2011データの取り扱いについて、現時点では自信をもって解説できないため、今回は最新ではないデータ(空間参照系はJGD2000)を利用することにします。下記の説明では、ダウンロードするデータの年次に注意を払ってください。
(1) データのダウンロード
ここでは例として、「行政区域」の大阪府および兵庫県(平成27年)、ならびに、「鉄道時系列」の全国データ(平成26年)をダウンロードします。以下、「鉄道時系列」のみ手順を簡潔に説明します。
<鉄道時系列>をクリックしてデータ詳細ページに入り、ページの一番下にある「ダウンロードするデータの選択」の<全国>にチェックを入れて<次へ>をクリック。
<平成26年>のデータ(N05-14_GML.zip)にチェックを入れて<次へ>。
アンケートに回答。
「国土数値情報利用約款」に目を通した上で<はい>をクリック。
<ダウンロード>をクリック。圧縮ファイル(zip形式)のダウンロードが完了したら、それを解凍する。
同様の手順で、行政区域のデータもダウンロードし、解凍も済ませておいてください。
(2) シェープファイルの確認
解凍後にできたフォルダ内には、シェープファイルが含まれています。シェープファイルとは、ベクタ形式の業界標準フォーマットであり、ファイルの拡張子が「.shp」「.shx」「.dbf」の3つのファイルで構成されています(拡張子が「.prj」のファイルが加わることもある;参考:シェープファイルとは?)。
たとえば、「鉄道時系列」の全国データのフォルダ(N05-14_GML)内には、2種類のシェープファイル(路線のラインデータと駅のポイントデータ)が含まれています。
シェープファイルは最低3つのファイルのセットによって構成されているものなので、コピーや削除などのデータ管理の際にはその点に注意しなければなりません。
(3) シェープファイルの読み込み
ここでは、大阪府の行政区域データの読み込みを例に説明します。
QGISを起動。<ベクタレイヤの追加>のアイコン(下図参照)をクリック。
<ブラウズ>をクリックし、シェープファイルが保存されているフォルダへ移動。そして、拡張子が「.shp」のファイルを選択して<開く>をクリック。(もし「.shp」のファイルが見当たらないときは、<開く>の上にあるプルダウンメニューを開き、<ESRI Shapefiles (*.shp *.SHP)>を選べば出てくるはず。)
<ベクタレイヤの追加>ウィンドウに戻ったら、<開く>をクリック。すると、大阪府の行政区域データ(市区町村別地図)が読み込まれた。
同様に、兵庫県の行政区域データ、ならびに、鉄道データ(路線ラインデータ・駅ポイントデータ)も読み込む。なお、鉄道のデータを読み込む際、空間参照系を選択するウィンドウ(下図)が出てくるが、今回はJGD2000のデータを利用しているので、<JGD2000>(EPSG:4612)を選択して<OK>。
大阪府・兵庫県の市区町村別地図と、路線のラインデータ、駅のポイントデータが表示されれば、今回の目標は無事達成。
(4) プロジェクトファイルを保存
<プロジェクト>→<名前をつけて保存>を選択。ファイルの保存場所を指定し、ファイル名を入力して<保存>。これでプロジェクトファイル(QGISファイル)が保存された。
プロジェクトファイルを開けば、保存時点から作業を再開することができます。なお、プロジェクトで使用しているデータは、フォルダ間の相対的な階層関係によって参照されているため、シェープファイルなどの保存場所を移したりするとデータを参照できなくなってしまいます。データを管理する際は、プロジェクトファイルとの階層関係に注意してください。