今回は、国土数値情報の土地利用細分メッシュデータをQGIS2.6.1で使用する方法の「その1」ということで、データの入手・加工とQGISへの読み込みについて書きたいと思います。
(1) データの入手
国土数値情報ダウンロードサービスにアクセスし、データ一覧の中から<土地利用細分メッシュ>をクリック。土地利用細分メッシュの詳細を確認しつつ下のほうへスクロールしていくと、データの選択画面にたどり着く。
上図のように、データは1次メッシュ単位で選択する。ここでは例として、大阪北部をカバーするメッシュコード5235を選択し、<次へ>をクリック。ファイル選択のページでは複数のデータの選択が可能だが、ここでは<平成21年>の<世界測地系>のデータを選択し、<次へ>をクリック。
アンケートに回答し、利用約款に同意すると、データのダウンロードが可能になる。データ(zip形式の圧縮ファイル)のダウンロードが完了したら、それを解凍しておく。
(2) データの加工ツールの入手
ダウンロードしたデータには、シェープファイルとJPGIS2.1準拠のGML形式のファイル(XMLファイル)の2種類が含まれています。シェープファイルはそのままQGISに読み込めますが、今回は土地利用細分メッシュをラスタデータとして使用したいので、XMLファイルをQGISで読み込める形式のファイルに変換する必要があります。
[NA-GIS47]でも登場した株式会社エコリスが「国土数値情報 土地利用細分メッシュ ラスタ変換ツール」を無償で公開していますので、これを利用します。株式会社エコリスさん、ほんとうにありがとうございますm(_ _)m
ツールの使い方については「国土数値情報 土地利用細分メッシュ ラスタ変換ツール」のページに書かれていますし、ツールをダウンロード・解凍してできたフォルダの中に説明書もありますので、ここでは詳細します。以下では、データ変換によって得られたGeoTIFF形式のファイル(拡張子:tif、GISで一般的に使われるラスタ形式の1つ)を使っていきます。
(3) ラスタデータの読み込み
QGISを起動し、場所の目安として、ここでは豊中市の地図を開いておく。
<ラスタレイヤの追加>ボタン(左側にあるボタンの上から2番目)をクリックし、(2)で得られたファイル(5235.tif)を選択して開く。
ラスタデータが開かれ、レイヤの順序を入れ替えると下図のような表示になる。モノトーン表示でいまひとつよくわからない。
(4) 土地利用別の表示
ラスタレイヤ上で右クリック→<プロパティ>を選択(あるいは、ラスタレイヤをダブルクリック)。<レイヤプロパティ>ウィンドウの左側、<スタイル>を選択。<レンダータイプ>を<単バンドグレー>から<単バンド疑似カラー>に変更。<新規カラーマップを作成>の枠内の<モード>を<等間隔>に設定。その横の<分類数>を11にする(なぜなら、その下の最小が1、最大が11となっており、1~11の各々に色を割り当てるため)。そこまでやってから<分類>をクリックすると、下図のような表示になる。
さらに、色を変更したりラベルをつけたり(1→田、5→森林など)といった設定もできるが、とりあえずはこのまま<OK>をクリック。すると、土地利用ごとに色分けされた地図が表示された。
ところで、1、2、3・・・という数字が具体的に何の土地利用を表しているかについては、国土数値情報 土地利用細分メッシュデータの詳細ページにおいてリンクされている「土地利用種別(平成21年度)」のページにて確認できる。このページでは4桁のコード番号で示されているが、ツールによって1桁または2桁の数字に変換されている(詳細については、ツールの説明書を参照)。
今回はここまで。次回はラスタデータの結合と切り抜きについて。