さて、いよいよバッファ領域内の人口推計。[NA-GIS34]で書いた手順の「7.面積比を利用して人口を按分し、分割されたバッファポリゴン内の人口を推計」です。
前回の[NA-GIS39]で、分割されたバッファポリゴンと小地域ポリゴンとの面積比を計算しました。小地域人口(今回の例では0~4歳人口)にこの面積比をかければ、分割バッファポリゴン内の人口が推計できます。この計算も、属性テーブルのフィールド計算機を用いて行います。
分割バッファポリゴン(今回の例では「保育施設500mバッファ分割」)の属性テーブルを開き、編集モードをオンにしてから、フィールド計算機を開きます(より詳しい手順は[NA-GIS39]を参照)。<出力フィールド名>に推計された0~4歳人口のデータ項目名(例として「ANBN_T0_4」)を入力し、<出力フィールドタイプ>を<小数点付き数値(real)>に変更し、<精度>は<2>ぐらいにしておきます。次に、関数リスト内の<フィールドと値>を展開し、その中の<AGE_T0_4>(0~4歳人口のフィールド名)をダブルクリック。続けて、演算子の中の<*>をクリックし、さらに<フィールドと値>の中の<MENSEKIHI>をダブルクリック。<式>の枠内が、「”AGE_T0_4″ * “MENSEKIHI”」になっていればOKです。
<OK>をクリックし、属性テーブルを右端までスクロールすると、新たに「ANBN_T0_4」というフィールドが追加され、その中に面積按分によって推計された0~4歳人口のデータが入っていることが確認できます。
ついでなので、同様の方法で、総人口についても面積按分による推計値を計算しておきましょう(手順省略)。
計算が終わったら、<編集を保存する>アイコンをクリックし、編集モードをオフにしてから、属性テーブルを閉じます。
今回の課題は以上で終了ですが、せっかくなので、推計された0~4歳人口のデータを用いて階級区分図を作成してみると(あんまり意味はないのですが)、以下のような地図になります。
いまの段階では、バラバラになったバッファポリゴンごとの推計人口しか得られていませんが、これらのデータを分割前のバッファポリゴン単位(=保育施設単位)で集計することによって、バッファ領域内の0~4歳人口を推計するという目的を達成できます。その作業は、また次回。