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[NA-GIS51]QGIS2.6.1で土地利用細分メッシュデータを使用する その2

Published by na-mii on 2014/12/26

サムネイル画像

[NA-GIS49]で、とりあえずQGISに土地利用細分メッシュデータを読み込むことができました。今回は、このデータから特定の土地利用だけを取り出したり、より少数の土地利用区分に再構成したりするときに行うラスタデータの再分類について説明します。

なお、以下では、手順を淡々と記述することに徹します。ラスタデータの再分類についてしっかり説明しようとすると長くなりますし、うまく説明する自信もありません(^_^;) より詳しく知りたい場合は、GISのテキストや「QGIS入門:04.再分類(reclassify)してみる」あたりをご覧いただければと思います。

今回は例として、[NA-GIS50]で作成した大阪府域の土地利用細分メッシュデータ(平面直角座標系に変換)を使います。ラスタデータの再分類によって、「田」と「その他の農用地」を統合した「農地」と「その他の土地利用」の2区分に再構成することを今回の目的とします。

大阪府域の土地利用細分メッシュデータ(平面直角座標系)。

大阪府域の土地利用細分メッシュデータ(平面直角座標系)。

(1) ツールを起動

QGISのメニューから、<プロセッシング>→<ツールボックス>を選択。<プロセッシングツールボックス>ウィンドウの一番下が<Simplified interface>になっている場合は<Advanced interface>に変更する。

<プロセッシングツールボックス>ウィンドウ。

<プロセッシングツールボックス>ウィンドウ。

ツールを探し出すには、階層をたどっていくより検索したほうがてっとり早い。ということで、検索窓に「reclassify」と入力すると、<Reclassify grid values>というツールが絞り込まれて出てくる。これをダブルクリックするとツールが起動する。

<Reclassify grid values>ウィンドウ。

<Reclassify grid values>ウィンドウ。

(2) 再分類の設定

具体的な手順に入る前に、再分類前のデータについて確認しておくと、各メッシュ(セル)は1、2、5、6・・・という数値データをもっています。これらの数値は、土地利用種別(平成21年度)のコードと対応しています。以下では1つの事例として、「1」(田)と「2」(その他の農用地)の値をもつメッシュに新たに「1」の値を与え、3以上の値をもつメッシュには「0」の値を与える方法について説明します。

<Reclassify grid values>ウィンドウ内、<Grid>で再分類を行いたいラスタレイヤを選択。<Method>は3つの方法が選べるが、今回は<[0]Single>を選択。その下の<old value (for single value change)>を「2」に、<new value (for single value change)>を「1」にする。そして、<operator (for single value change)>では<[2]<=>を選択。

<Reclassify grid values>の設定その1。

<Reclassify grid values>の設定その1。

この設定は何を意味しているかというと、2以下の値を新たに1とする、ということである。

<Reclassify grid values>ウィンドウを下にスクロールし、下図のようになっているかを確認。ここで重要なのは、no data values(値なし)とother data values(1と2以外の値)を「0」の値に置き換える、ということである。

<Reclassify grid values>の設定その2。

<Reclassify grid values>の設定その2。

ここまでの設定ができたら、<Run>をクリック。しばらく待てば、処理は完了。

(3) 再分類後のデータの確認と保存

処理が完了すると自動的に<Reclassified Grid>というレイヤが追加されるが、同時に「CRSが定義されていません」という警告が表示される。これは、作成されたレイヤはCRS(空間参照系)が定義されていないので表示できない(他の地図とオーバーレイできない)、ということを意味している。

「CRSが定義されていません」という警告。

「CRSが定義されていません」という警告。

また、<Reclassified Grid>レイヤの下を見ると、0と0.999という数字が並んでいる。このレイヤの各メッシュは0~0.999の値をもっているということを示しているのだが、実際は0か1かどちらかの値である。なぜ0.999と表示されるのか、私にはよくわかりません(-_-;)

以上のことをふまえつつ、レイヤの設定を行い、ちゃんと再分類ができたかどうかを確認してみる。レイヤのプロパティを開き、まずは左側の<一般情報>を選択し、<空間参照システム>のところでCRSを指定する(ここでは平面直角座標系第Ⅵ系)。

次に、左側の<スタイル>を選択。<バンド表示>内、<レンダータイプ>を<単バンド疑似カラー>に変更。今回は0と1の2区分しかないので、手動で凡例を追加する。

レイヤプロパティのスタイル設定。

レイヤプロパティのスタイル設定。

<色の補間>の下にある<+>ボタンをクリックすると、下の枠に凡例が追加される。値・色・ラベルは、ダブルクリックで変更できる。下図のように、0と1の凡例ができれば、レイヤプロパティの設定は完了。

0と1の凡例を設定。

0と1の凡例を設定。

<OK>をクリックすると、0(その他の土地利用)と1(農地)の2区分に再分類されたラスタレイヤが表示された。農地少なっ・・・。

再分類後のラスタレイヤ。

再分類後のラスタレイヤ。

ちゃんと再分類できていることを確認したら、このラスタレイヤを新たなファイルとして保存する。ラスタレイヤ(Reclassified Grid)の上で右クリック→<名前をつけて保存>を選択。<名前をつけて保存>の横の<参照>をクリックし、ファイルの保存場所とファイル名を指定して<保存>をクリック。そして、<OK>をクリックすればファイルの保存は完了。

今回はとても単純な再分類でしたが、条件のつけ方を工夫すればさまざまな再分類が可能です。

次回は、再分類したラスタデータを利用して、市区町村ごとの土地利用データの集計を行います。それでは、また。

Filed under: GIS, 仕事 and Tagged: FOSS4G, GIS, NA-GIS, QGIS, QGIS学習ノート, 授業
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