8月3日(火)~6日(金)の4日間、集中講義でGIS実習を行った。受講生は6名。全員、前期の通常講義を受けているので、GISの知識・技法はある程度身につけているという前提。
この講義のテーマは、主に2つ。1つは、小地域データをマスターしてもらおうというもの。「地図で見る統計(統計GIS)」から空間データ(シェープファイル)と統計データをダウンロードし、MANDARAに読み込むという作業を行った。小地域データの活用はGISの醍醐味の1つだし、小地域単位の統計地図を作成することによって、身近な地域のみえ方が変わってくると思う。さらに、コンビニのポイントデータを追加読み込みし、コンビニから一定範囲内に含まれる地域の統計情報を集計するバッファ分析も体験させた。
もう1つのテーマは、GPSデータの収集と利用。2日目の朝一から、GPSレシーバを持って大学周辺を巡検(散歩?)。使用したGPSレシーバは、ガーミンのeTrex Legend HCx。トラックデータと何箇所かのウェイポイントデータを収集し、さらにウェイポイントにおいてiPhoneで写真を撮影。iPhoneのGPS機能によって写真に記録される位置情報と、GPSレシーバで記録したウェイポイントの位置情報を比較しようというもくろみ。また、位置情報をもつ写真を撮っておけば、地図上に表示させることもできる。
スタート直後、炎天下、いきなり高度差80mを登る(笑)。写真は、天王宮素盞鳴神社の社務所から神戸港方面の眺め(クリックすると拡大)。GPSの記録によれば、高度は128.9m。
神社で一服した後、山を下り、気の向くまま雑談しながら歩き回り、大学に戻ってきたら1時間が経っていた。暑かったなあ。収集したデータを、まずGoogle Earth上に表示してみる(gps_20100804.kmz、Google Earthで開けます)。スタートが、建物から飛び降りたかのようになっているのはご愛敬。また、トラックデータやウェイポイントデータをMANDARAに読み込めるように加工する。さらに、iPhoneで撮影した写真の位置情報をピックアップして、撮影場所をポイントデータとして読み込む。ほぼ同じ場所であるはずのウェイポイントと撮影場所を比較すると、最大で550mもずれているポイントがみられた。iPhoneのGPS機能はあてにならないこともあるということを確認。
授業の後半戦は、これまでに身につけたテクニックを生かして、フリープランで作業を進行させた。GPSデータの収集、小地域単位の統計地図作成、寺社仏閣のポイントデータ作成など、役割を分担して行った作業の成果を合わせると、なんだかよくわからない地図ができたけれど、それもまたよしとしよう。GPSデータを収集したからには、移動データの3次元表現地図も作成。最後に、自分の住む地域の小地域階級区分図をKMLファイルで保存し、Google Earth上に重ね合わせ、簡単に説明してもらった。どうってことない作業だけれど、自分の住む地域の航空写真と統計地図が重なり合うのはインパクトがある様子だった。
自分でいうのもなんだけど、なかなかよい授業だったんじゃないかと思う。受講生がめきめき力をつけていくのがわかって、うれしい気分になった。とはいえ、反省点もかなりある。今後の参考のために、現時点での反省点と備忘録を以下に列挙しておく。
- 受講者の最適人数は?今回、6人(1人は院生だったので実質5人)の質問やらなんやらをさばくのに精一杯だった。増えて8人が限界かなあ?できればTAがほしいところ。
- GPS実習に画板は必需品。
- 3次元地図を作成するなら、もっと広範囲のGPSデータを収集したほうがおもしろい。みんなでサイクリング?(笑)
- 完全なフリープランで作業を進めさせるには、集中講義は時間が足りない。
- もし雨天続きだったら、GPS実習はできたのだろうか?
- コンピュータ・ルームの真ん中付近が、エアコンの冷風のせいで寒い。
- タイ料理の「辛くないメニュー」(具体的には、ランチパックの牛肉のオイスターソース炒め)は辛い。メインメニューじゃないもの(具体的には、春雨サラダ)がめちゃくちゃ辛い。スープも胡椒がききすぎて辛い。やはり、人がいう「ピリ辛」はピリ辛じゃないんだということを再確認。