前回の「ガーミンとiPhoneのGPSデータ比較:甲南大学編」からずいぶんと間があいてしまいましたが、ようやく涼しくなったので、阪大周辺をぐるっと歩いてデータを取ってきました。
詳細は前回の記事を読んでいただくとして、手順を簡単に箇条書きで。
- GPS端末(ガーミンのeTrex Legend HCx)でポイントを記録
- 同地点で、iPhone(前回書き忘れましたが3GSです)で写真を撮る(GPS機能により撮影場所の位置情報が記録される)
- GPS端末で記録された位置情報とiPhoneの写真に記録された位置情報を比較
- 両者にどれほどのずれがあるか(あるいは一致しているか)を検証
で、今回はリベンジ編なわけです。前回の失敗をふまえて、今回は以下の点に注意してみました。
- GPS端末とiPhoneの操作を同一人物が行う(今回私しかいないので当然ですが)
- iPhoneのカメラを起動させた後、30秒以上待ってから撮影する(測位を待つため)
それでは、結果をみてみましょう。下の画像は、Google Earthのスクリーンショットです。また、今回もKMZファイルを公開しますので、ダウンロードしてGoogle Earthで開いてみてください。なお、アルファベットA~Jの赤いピンはGPS端末で記録したポイントを示し、緑ピンはiPhoneの写真に記録された場所を示しています。
Google Earthで確認すると、GPS端末で記録したポイントの位置はほぼ正確です(トラックはところどころ変な場所を歩いていることになってますが)。そうなると、赤ピンと緑ピンのあいだのずれは、主にiPhone側に原因があるのではないかということになります。
次に、もう少し具体的に、ということで、MANDARAを使って、各地点の赤ピンと緑ピンの距離(すなわち、GPS端末で記録された位置情報とiPhoneで記録された位置情報のずれ)を計測してみました。
- 07共通教育C棟・・・9m
- 08乳母谷池・・・24m
- 02正門・・・33m
- 03大高の森・・・41m
- 04極限量子科学研究センター裏・・・44m
- 10らふぉれへの道・・・44m
- 01歩道橋上・・・45m
- 05中山池遊歩道・・・58m
- 09構内隅っこの駐車場・・・79m
- 06友よ我らぞ光よと・・・784m
前回、ずれの単純平均が100.8mであったことを考えると、大幅に改善したように思えます。しかし一方で、40メートル前後もずれてしまうのは、GPSの精度としてはどうなのかなあという気もします。各地点とずれとの関係をみてみると、空が開けている場所ほどずれが小さい、という傾向でもないみたいです。共通教育C棟(旧ロ号館)では、四方建物に囲まれた中での計測でしたし。
それにしても、「友よ我らぞ光よと」(銅像です、画像は次の記事にて)は、まわりに建物も何もない青空の下での計測だったのに、どうしてこんなにずれが生じたのでしょうか?あの銅像が妨害しているのでしょうか・・・(((( ;゚Д゚))))
もちろん、この結果をもってiPhoneがダメだというつもりはなく、iPhoneの用途を考えれば、数十メートルの誤差は許容範囲なんでしょうね。実際、iPhoneのマップで現在位置を表示させてみると、おお、ピッタリだ、と思わされますし。ところで、iPhone4では3GSよりもGPSの精度が向上してたりするんでしょうか?iPhone5だともっと・・・?さらには、ソフトバンク版とau版では、Assited GPSの精度に差が出たりするんだろうか、と、そのへんの技術がよくわかってない私は思うのであります。ではまた。
[9月27日追記]共通教育C棟でiPhoneの精度が良かったのは、共通教育C棟のWi-Fi環境のおかげのような気がしてきました。乳母谷池も、実は池のすぐそばにサイバーメディアセンターがあり、このセンターのWi-Fi環境によって測位精度がそこそこ良好だったのかもしれません。[追記終わり]