「集中講義を振り返って」シリーズに入れても良いのですが、明確なテーマのある話題なので別タイトルで。今年度も、昨年度と同様に、GPS端末(ガーミンのeTrex Legend HCx)とiPhoneで得られたGPSデータを比較しようという試みを行いました。
具体的には、GPS端末でいくつかウェイポイントを登録し、その場所の位置情報(経緯度)を記録します。同時に、それらのウェイポイント(あるいは、事前にGPS端末に登録しておいた場所)で、iPhone(3GS)を使って写真を撮ります。iPhoneもGPS機能を備えており、撮影した写真にはその場所の位置情報が記録されます。そこで、異なる端末で記録した位置情報を比較し、同一地点でどれほどずれているか(あるいは一致しているか)を検証してみよう、ってなことをやってみたわけです。
【ここで言い訳タイム】この野外実習は、集中講義期間中ずっとコンピュータとにらめっこではしんどいしつまらないだろう、ってことで、息抜きも兼ねて、GPS体験もできるお散歩、ぐらいのつもりでやっています。なので、正直厳密なデータ収集はやっていません。同一地点といっても、ウェイポイント登録地点とぴったり同じ場所で撮影しているわけではなく(だいたい1メートルぐらいずれている)、また後述するように、写真の撮り方も適当です。以下、そういうつもりでお読みください。【言い訳終わり】
では、まず、どんなところを歩き回って、どんな場所を登録したかを公開。
これは、Google Earth上で表示させたもののスクリーンショット。また、KMZファイルもアップしておきます(Google Earthがインストールされているコンピュータで開くことができます)。A~Mの赤い記号は、GPS端末で(現場で or 事前に)登録したポイントを示しており、緑ピンはiPhoneで撮影した写真に記録された位置を示しています。緑ピンにはポイントAi~Miの名前をつけてあり、これは赤い記号と対応関係にあります。
あと、こっちはポイントだけですが、Googleマップのマイプレイスにアップした、甲南大学GPS実習:ポイントも。歩いたルートもあわせて表示したかったのですが、例によって、ルートがばらばらにされてしまったので・・・。
気になっていた川沿いを歩き、岡本八幡神社へ行き、神戸の本気モードの豪邸を眺め・・・。昨年度とはまた違ったルートを散歩することができ、楽しかったです。9時過ぎにもかかわらず、むちゃくちゃ暑かったけど・・・。
で、対応関係にある赤ピンと緑ピンのずれをみるわけですね。受講生の1人が分析してくれた結果によると、ずれが最大だったのはポイントIの629メートル、最小はポイントFの6メートル、ずれの単純平均は100.8メートルでした。
極端にずれが大きいポイントが2つあったため、単純平均は過大に出ているとは思いますが、いずれにせよずれは小さくはないです。じゃあ、この結果をもってiPhoneのGPS精度はダメだ、といえるかというと、ほら、やり方もテキトーだし(笑)、あまりに早計でしょう。(iPhoneのGPSのせいで大変な目に遭った真夏の経験があるけど割愛。)
今回みられたずれの主な要因は、やはりデータ収集のやり方にあったと思われます。iPhoneのGoogleマップをみているとよくわかりますが、たとえば現在地を示すとき、まずはおおまかに測位し、正確な場所を特定するには少し時間がかかります。ところが、ずれが大きかったポイントでは、暑いので(笑)、カメラを起動した後、正確な測位を待たずに写真を撮ってしまった。なので、写真にはおおまかな測位による位置情報が記録されたのではないか、と考えています。まあ、はっきりいって、ずさんですね(苦笑)。
また、甲南大学のNさん、Nさん(ついでに、波江ことN)と話していて気づいたこと。今回のやり方では、ガーミンのGPS端末自体がもつ誤差と、iPhone自体がもつ誤差が、ずれを増幅しているかもしれないし、あるいは、相殺しているかもしれない。このようなファクタも考慮する必要がありそうです。
さて、このままでは、ずさんなやり方により、ひどい結果が出ました、という話で終わってしまうので、場所を変えて、もう少しきっちりとしたやり方で検証した結果を続編として書きたいと思います。近日公開!といきたいところですが、この猛暑の中歩き回る気力はないです・・・。えーと、気長にお待ちください・・・。