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[NA-GIS41]QGIS2.0でバッファ分析 その8(完結)

Published by na-mii on 2013/12/25

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さあいよいよ、というか、とりあえずの、というか。今回は、[NA-GIS34]から続けてきたQGIS2.0でバッファ分析の完結編、「8.分割されたバッファポリゴンの人口を集計し、各保育施設の500mバッファ領域内の人口等を推計」です。

しかし、冒頭から言い訳(^_^;) 前回の[NA-GIS40]で、分割されたバッファポリゴンごとの0~4歳人口を推計するところまできました。あとは、分割前のバッファポリゴン単位(=保育施設単位)で人口を集計すれば、各保育施設の500mバッファ領域内の0~4歳人口を推計することができます。こういう場合、某GISソフト(っていうか、ArcGISですけど)なら、「ディゾルブ」という機能を使って分割されたポリゴンを融合し、なおかつ、融合されるポリゴンの属性を集計する、ということができるのですが・・・。QGISにも、「融合」というディゾルブとよく似た機能が備わっているものの、融合されるポリゴンの属性を集計というのができず、かといって、いまのところ代替の方法がわからないのです・・・。

というわけで、以下では、ヒジョーに泥臭いやり方でなんとかゴールまでたどり着きたいと思います。

分割されたバッファポリゴン(今回の例では「保育施設500mバッファ分割」)の属性テーブルを開きます。テーブルの左上の角の部分(<編集モード切替>アイコンの下)をクリックすると、属性データ全体が選択状態になるので、その状態で<選択している行をクリップボードにコピー>アイコンをクリックします。

<選択している行をクリップボードにコピー>アイコン

<選択している行をクリップボードにコピー>アイコン

Excelを起動し、<貼り付け>。すると、属性テーブルの全データがシートに貼りつけられます。保育施設のNo、保育施設名、面積按分によって推計された0~4歳人口および総人口の4列は必ず残し、残りの不必要な列は削除。その上で、Excelの<小計>機能などを用いて(詳細省略)、保育施設単位で0~4歳人口および総人口を集計し、以下のように表を整えます。また、この後地図データとの結合を行うので、データ項目名はできるだけ短いものにしておきます(「T0_4」は面積按分によって推計された0~4歳人口、「ALL」は同 総人口)。

面積按分人口を集計した表。

面積按分人口を集計した表。

このデータをCSV形式で保存。その際、ファイル名もできるだけ短くします(今回の例では「ANBUN」)。また、データ形式を定義するCSVTファイルも作成しておきます(詳細は[NA-GIS34]を参照)。今回、データ結合のキーとして使用する保育施設のNoを”Integer”(整数型)と定義するのは、地図ファイルの属性テーブルでの定義と合わせるためです。

CSVTファイルの内容。

CSVTファイルの内容。

このデータの結合先としては、(1)保育施設のポイント、(2)保育施設の500mバッファポリゴン、(3)分割されたバッファポリゴンを融合したもの、の3種類が考えられます。せっかくなので、「融合」の練習がてら、(3)を結合先としましょう。また、後々の地図表現も考えて、(1)にもデータを結合します。

まずは、分割されたバッファポリゴンの融合から。QGISのメニューから<ベクタ>→<空間演算ツール>→<融合>を選択。<融合>ウィンドウが現れたら、<入力ベクタレイヤ>として<保育施設500mバッファ分割>を指定し、<融合フィールド>は<NO>を選択します。この融合フィールドがもつ意味は、同じキー(今回の例では保育施設のNo)をもつポリゴンどうしを融合するということです。そして、<ブラウズ>をクリックしてシェープファイルの保存場所とファイル名を指定します。最後に<OK>をクリック。

<融合>ウィンドウ

<融合>ウィンドウ

「TOCに新しいレイヤを追加しますか?」と聞いてくるので、<はい>を選択して融合されたバッファポリゴンを地図に追加します。

融合されたバッファポリゴン。

融合されたバッファポリゴン。

結合先の地図データが揃ったところで、これに面積按分による推計人口データを結合します。結合の方法とその後の処理については、すでに[NA-GIS35]で詳しく書いているのでここでは省略。

では、面積按分による推計人口データを用いて、いくつか地図を描いてみましょう。最初は、融合されたバッファポリゴンを0~4歳面積按分人口のランク別に塗り分けてみます(最小値:188.79、最大値:727.68、平均値:409.00、中央値:405.40、標準偏差:127.03)。

面積按分による0~4歳人口の階級区分図(その1)

面積按分による0~4歳人口の階級区分図(その1)

阪急宝塚線沿いに保育施設が多く分布していますが、必ずしもそれらの保育施設の周辺に0~4歳人口が多いわけではないんですね。しかし、上の図はバッファポリゴンが重なり合ってやや見にくいので、今度は同じような地図を保育施設のポイントを用いて描いてみます。

面積按分による0~4歳人口の階級区分図(その2)

面積按分による0~4歳人口の階級区分図(その2)

さらに、保育施設の種別に色分けし、0~4歳人口に応じて大きさを変えた可変シンボルマップを作成。

保育施設種別にみた面積按分0~4歳人口の可変シンボルマップ

保育施設種別にみた面積按分0~4歳人口の可変シンボルマップ

うーん、見やすいような、見にくいような・・・。0~4歳人口が多いエリア(市の北東部)に、通常の(といってよいのかわかりませんが)保育施設(公立・民間の保育所)が少ないようにみえるのが気になります。

最後に、融合されたバッファポリゴン内の0~4歳人口割合をランク分けした階級区分図(最小値:2.53、最大値:6.60、平均値:4.27、中央値:4.25、標準偏差:0.95)。

面積按分による0~4歳人口割合の階級区分図

面積按分による0~4歳人口割合の階級区分図

あ、上に基本統計量を書いていますが、これは<ベクタ>→<解析ツール>→<基本統計>と進めば簡単に出すことができます。

さて、いくつか地図を作成してきましたが、ここから、これらの地図をふまえて、さらには、GIS上(あるいはGIS外)でさらなる分析・調査を行って、豊中市における保育施設分布に関する問題点や今後の対策などを考察していくことになります。そういう意味では、ようやく分析のスタートラインに立ったということなのですが・・・。今回のシリーズは、QGIS2.0でバッファ分析を行うための手順を学ぶことが目的だったので、ここから先の分析・考察はみなさんにお任せし(笑)、ひとまず本シリーズは完結とします!

それでは、また。

Filed under: GIS, 仕事 and Tagged: FOSS4G, GIS, NA-GIS, QGIS, QGIS学習ノート, 授業
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