「ジンクピリチオン効果」なる言葉を最近知った。
詳細は「研究論文や申請書におけるジンクピリチオン効果について」を読んでいただくとして(大阪大学の先生が書かれているのですね)、一言でいえば、ある言葉が「なんかわからんけど、すごそう」と人に思わせる効果だそうです。・・・メリットシャンプーは波江家でも一時期使っていたし、CMもよくみたけれど、「ジンクピリチオン配合」は覚えていないなあ。
まもなく開催される日本分子生物学会年会では、「研究プロジェクトのタイトルにおける「ジンクピリチオン効果」について」というフォーラムも行われるとか。いいなあ、日本分子生物学会。地理学会も見習いたいものです。いや、ほんとに。
で、上にリンクしたページをくすくす読みながら、地理学ではどうだろうと思ったわけです。地理学はどっちかっていうと質実(?)な学問なので(って書くとだいぶ語弊があるような気もしますが気にしない)、ぶっ飛んだり得体が知れなかったりするタイトルにはなかなかお目にかかれません。とはいえ、ないこともないだろうということで、ちょっと考えてみました。
ただし、狭い世界であまり敵をつくったり摩擦を起こしたくはないので(笑)、当たり障りのない範囲で・・・。
ちょっと前に、かなりのジンクピリチオン効果をもっていたフレーズといえば、やはり「地理情報システム(GIS)」でしょう。今はもう、だいぶ効果は薄れてしまいましたが。
「~族」とか「~自治区における」とかみると、おお、大変な場所に行って調査してきたんだな、と思わされます。
「グローバル」とか「ローカル」とか「グローカリゼーション」とか、やっぱり空間に関する言葉なので地理学者は好きですねー。
先のページの、「ドライなだけのドライではない」的なものでいうと、「ご当地ゆるキャラのゆるくない地域活性化」みたいな感じでしょうか。違うか。地理学でゆるキャラ研究する人いないんですかねぇ?(私はやりません。)
あ、タイトルに「?」をつけるのも増えているような気がします。無駄に疑問形だなっていう(いかん、抑えろ)。いや、そっちから聞かれても・・・って思います。
あと、ジンクピリチオン効果とはちょっと違うと思いますが、「地域構造」は地理学界におけるマジックフレーズですね。よく考えてみると、なんのこっちゃよくわからんという用語。安易にこの言葉を使うな、と先生から何度も指導されました。
さて、まとまらなくなってきたので、強引にまとめてみましょう。ここまで出てきたフレーズなどを使って、最強のジンクピリチオン効果をもつ地理学的タイトルを考えるとすれば、こうですね。
「GISを用いたゆるキャラ自治区の地域構造分析とグローカリゼーション?」
・・・お粗末様でございました。
ひとついえることは、私にはこういうセンスがぜんぜんないってことと、私の研究タイトルは地味すぎるってことと、このエントリは「ジンクピリチオン効果」というフレーズのジンクピリチオン効果を利用してやったぜってことです。