[NA-GIS67]以降、小地域データとして町丁目・字単位のデータを使用してきましたが、今回はメッシュデータの利用方法について解説します。事例として、神戸市東灘区・灘区を対象とし、500mメッシュデータを使用します。
(1) 500mメッシュの地図データ作成
MANDARAを起動。マップエディタを開き、<ファイル>→<地図ファイル読み込み>とたどり、[NA-GIS67]で作成・保存した([NA-GIS78]で修正を加えた)「東灘区・灘区小地域.mpf」を選択して開く。
<編集>→<メッシュオブジェクトの作成>を選択。<メッシュオブジェクト作成>ウィンドウが現れる。
<メッシュの種類>の中から<1/2メッシュ>を選択(今回は500mメッシュ(=1/2メッシュ)を利用するので)。他の項目は特に変更せず、<作成>をクリック。すると、神戸市東灘区・灘区の地図上に500mメッシュオブジェクトが作成された。
<ファイル>→<名前を付けて地図ファイル保存>を選択し、「東灘区・灘区小地域.mpf」とは別のファイル名をつけて(今回は「東灘区・灘区500mメッシュ.mpf」とする)、地図ファイルを保存。
(2) 500mメッシュの統計データ入手
データは地図で見る統計(統計GIS)のページから入手します。地図で見る統計(統計GIS)の詳細な利用方法については[NA-GIS66]を見てもらうとして、以下ではポイントを絞って説明します。
<Step1>では、今回「国勢調査」→「平成22年国勢調査(国勢調査-世界測地系500mメッシュ)」を選択。<Step2>では「男女別人口総数及び世帯総数」のみ選択可能。
<Step3>では、1次メッシュ単位でデータを選択するので、対象地域が含まれる1次メッシュのコードを知っておく必要がある。たとえば、GISツール.comというサイトで提供されている地図上で標準地域メッシュを確認するページが便利。今回対象としている神戸市東灘区・灘区は、1次メッシュ「5235」に含まれることがわかる。
<Step3>で<084: M5235>を選択して<検索>。<Step4>では、今回統計データのみダウンロードすればよい。ダウンロードしたZIPファイルは<地理と情報>→<属性データ>フォルダに保存し、解凍する。最終的に「tblT000609H52350.txt」というテキストファイルが得られる。
(3) 統計データの加工
統計データのテキストファイル(tblT000609H52350.txt)の拡張子「txt」を「csv」に変更。ファイルが使えなくなる可能性があるという警告が出てくるが、かまわず<はい>を選択。CSV形式のファイルに変わり、Excelで開くことができる。
Excelで開いたデータにMANDARAタグを追加するなどして、MANDARAに読み込めるかたちにする(下図参照)。
(4) MANDARAに統計データを読み込み
Excelのデータ入力範囲をすべて選択し、コピー。(12000行以上あってマウスを使って選択するのは大変。キーボードの[Ctrl]+[A]を押せば、データの全範囲を選択できる。)
MANDARAの<ファイル>→<クリップボードからデータの読み込み>を選択。(MANDARAが起動していない場合は、MANDARAを起動し、<クリップボードのデータを読み込む>を選択して<OK>。)
地図ファイルが見つからないといわれるので、<地理と情報>→<MANDARA>→<Map>フォルダに保存されている「東灘区・灘区500mメッシュ.mpf」を指定して<開く>をクリック。データの読み込みが開始される(コンピュータのスペックによってはかなり時間がかかるが、我慢強く待つ)。
データの読み込みが完了すると<データに問題があります>ウィンドウが出てくるが、気にせずに<OK>をクリック。
ここで、とりあえずMANDARAファイルとして保存しておく。<ファイル>→<MANDARAの形式でデータ・設定保存>→<地図ファイル付属形式でデータ保存>を選択し、データを保存。ファイル名は何でもよいが、ここでは「東灘区・灘区500mメッシュ」としておく。
(5) 統計地図を作成
例として、人口総数の階級区分メッシュ地図を作成する。下図のように凡例設定を行い、<描画開始>をクリック。
すると、次のような地図が表示されるが、モザイクにしかみえない。わかりやすい地図にするために、もう少し手を加える。
まず、地図ウィンドウの<表示>→<ダミーオブジェクト・グループ変更>を選択。<ダミーオブジェクトグループ>枠内の<統計GIS小地域>にチェックを入れて、<OK>をクリック。
次に、<オプション>→<線種ラインパターン設定>を選択。<1/2メッシュ枠>が<透明>になっているので、そこをクリックしてメッシュ枠の線種設定を行う。
東灘区・灘区の地図(町丁目・字単位)とメッシュ枠が表示され、よりわかりやすい地図になった。
データを上書き保存して、今回の作業は終了。
・・・しかし、今回完成させたメッシュ地図では、かなりの部分のメッシュが消えてしまっていて(北部地域や六甲アイランドの一部など)、少し不満が残ります。[NA-GIS80]では、改良方法について説明します。