QGIS2.0で作成した地図をレポートなどで使用するには、凡例・縮尺・方位記号の追加といったレイアウトを行い、それをエクスポートする必要があります。今回は、[NA-GIS41]の豊中市の事例を使ってやってみます。
(1) 凡例表示用のラベル設定
レイヤ名の上で右クリック→<プロパティ>を選択。<レイヤプロパティ>ウィンドウの<スタイル>を選択すると、階級区分を行っているレイヤであれば、以下の図のように各ランクの色・境界値などが表示されます。その中の<ラベル>に入力した内容が凡例表示に反映されるので、適切なラベルを設定します。
(2) コンポーザを作成
ラベル設定が終わったら、地図のレイアウトを開始します。QGIS2.0では「コンポーザ」というものを使うようです。<プロジェクト>→<新コンポーザマネージャ>と進むと、<コンポーザタイトル>という小さなウィンドウが現れて、タイトルの入力を求めてきます。後々の管理のために、ここではわかりやすいタイトルを入力しておきます。そして、<OK>。
すると、コンポーザのウィンドウが現れます。右側の<コンポジション>で細かい用紙設定などができますが、ここではとりあえずA4縦向き(豊中市が縦長なので)にしておきます。
(3) コンポーザに地図を追加
<レイアウト>→<地図を追加>を選択し、コンポーザの白紙の画面いっぱいに四角を描くように、マウスを左上から右下にドラッグします。すると、いちおう地図が追加されました。
しかし、部屋の片隅で体操座りしているような感じです。お前が主役なんだからもっと堂々としろよ、といいたくなります。地図を大きく表示させるには、右側中段にある<アイテムプロパティ>タブをクリックし、<メインプロパティ>内の<縮尺>を変更します。
さらに、地図を動かすには、<レイアウト>→<コンテンツを移動>を選択した上で行います。アイテムとかコンテンツとか出てきてややこしいですが、キャンバス(アイテム)の中に地図(コンテンツ)がある、という関係なんですね。
(4) 凡例を追加
<レイアウト>→<凡例追加>を選択し、凡例を追加したい場所をクリック。凡例が表示され、(1)で設定したラベルが反映していることがわかります。<アイテムプロパティ>で凡例の細かい設定もできますが、ここでは省略します。
(5) 縮尺を追加
<レイアウト>→<スケールバーを追加>を選択し、追加したい場所をクリックすると縮尺が表示されます。初期状態だとキリの悪い目盛になっていたりするので、<アイテムプロパティ>内で目盛の間隔や数などを調整します(縮尺のスタイルもいくつか選択可能)。
(6) 方位記号を追加
<レイアウト>→<イメージを追加>を選択し、追加したい場所をクリック。空っぽのアイテムが追加されたら、<アイテムプロパティ>内の<検索ディレクトリ>の▶をクリック。すると、<検索ディレクトリ>が展開され、さまざまな記号が表示されるので、その中から方位記号として使いたいものを選択。
これで、ひととおりのレイアウトはできました。
(7) 画像ファイルとしてエクスポート
では、この地図をレポートなどで使うために、画像ファイルとしてエクスポートします。<コンポーザ>→<画像としてエクスポート>を選択すると、ファイルの保存場所と形式を指定するウィンドウが現れます。ここでどの形式を選ぶかですが、せっかくなので、よく使う形式4種(BMP・JPG・PNG・TIFF)の比較をしてみましょう。(ところで、JPEGとJPGは何が違うんだろうか・・・?)
上図を見ればわかるように、Photoshopなどで編集することを考慮すればTIFFかBMPが良いのですが、1ファイルにつき数十MBにもなってしまう。JPEGファイルは、Wordなどに貼りこんで印刷したときに少しぼやけた感じになるのが気になる。というわけで、エクスポートしたファイルをそのまま使うのであれば、PNGがちょうどよいのかなと思います。
補足:コンポーザの保存と再開
作業中のコンポーザは、プロジェクト本体を上書き保存すればいっしょに保存されます。また、QGIS本体の<プロジェクト>→<コンポーザマネージャ>を選択すると、<コンポーザマネージャ>ウィンドウが現れ、保存されているコンポーザを開いて作業を再開することができます。
今回はここまで。では、また。