少し間が空いてしまいましたが、[甲南GIS28]の続きです。
[甲南GIS28]では上掲の地図を作成しましたが、北部地域や六甲アイランドの一部などかなりの部分のメッシュが消えてしまい、不満が残りました。
なぜこんなことになってしまったのか?主な原因は、統計データ側が欠損値(=データなし)のメッシュデータをもっていない(変な言い方ですが)ことにあります。なので、この統計データと地図データ(東灘区・灘区にかかる500mメッシュ)を結合すると、東灘区・灘区内にあって、かつ、統計データがあるメッシュオブジェクトだけが残り、欠損値となるべきメッシュオブジェクトが消えてしまう、ということです。
やはり欠損値のメッシュオブジェクトも残して、東灘区・灘区全域がメッシュで覆われた地図を作成したい。というわけで、以下ではその方法について解説します。かなり力業なので、手順のみを淡々と記します。
(1) 500mメッシュの地図データ加工
MANDARAを起動。マップエディタを開き、<ファイル>→<地図ファイル読み込み>とたどり、[甲南GIS28]で作成・保存した「東灘区・灘区500mメッシュ.mpf」(<MANDARA>→<Map>フォルダに保存されている)を選択して開く。
<編集>→<初期属性データ編集>を選択。次に、<初期属性データ編集>ウィンドウで<1/2メッシュ>タブを選択。データのタイトル欄に「空白」と入力し(「空白」じゃなくてもよいのですが)、<OK>をクリックして<初期属性データ編集>ウィンドウを閉じる。
<ファイル>→<地図ファイル保存>を選択して地図ファイルを上書き保存。
(2) MANDARAに統計データを読み込み
[甲南GIS28]の(2)~(4)と同様の手順でMANDARAに統計データを読み込み、MANDARAファイルとして保存。
(3) 初期属性データを追加
<編集>→<属性データ編集>→<属性データ編集>を選択。次に、<初期属性追加>→<新しいレイヤにオブジェクトグループ単位で追加>を選択。オブジェクトグループを選ぶ小さなウィンドウが現れたら<1/2メッシュ>を選び、<OK>をクリック。すると、新たに<1/2メッシュ>タブが加わり、「空白」というタイトルのデータ(中身は空っぽ)が追加された。<OK>をクリックして<属性データ編集>ウィンドウを閉じる。
(4) レイヤ間オブジェクト集計
<分析>→<レイヤ間オブジェクト集計>を選択。
<オブジェクトを集計するレイヤ>枠内のすべてにチェックを入れる。<新しいレイヤの名称>は何でもよいが、今回は「500mメッシュ」としておく。<レイヤ間で共通しないオブジェクトの処理>では<新しいレイヤに入れ、存在しないレイヤのデータ項目は欠損値とする。>のほうを選択。そして、<OK>をクリック。
(5) 属性データの確認と加工
属性データを開く。新たに<500mメッシュ>タブが加わっていることを確認。データを下のほうにスクロールしていくと、データが空白(=欠損値)のメッシュオブジェクトが162行目以降に並んでいることがわかる。
<500mメッシュ>レイヤ以外の2つのレイヤ(空白タブと<1/2メッシュ>タブ)は不要になったので、タブの上で右クリック→<レイヤの削除>を選択してレイヤを削除。<500メッシュ>レイヤ内のデータタイトル等も修正。最後に<OK>をクリックして<属性データ編集>ウィンドウを閉じる。
(6) 統計地図を作成
またも人口総数の階級区分メッシュ地図を作成。凡例設定やダミーオブジェクトの設定などを行えば(詳細は[甲南GIS28]の(5)を参照)、欠損値も含むメッシュ地図が作成できた!
今回はここまで。各種ファイルの上書き保存を忘れずに。