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[甲南GIS27]MANDARAによるバッファ分析の留意点

Published by na-mii on 2013/6/17

サムネイル用画像

[甲南GIS26]では、MANDARAのバッファ分析機能を使ってコンビニの半径300m圏内に含まれる人口を集計しました。ただし、MANDARAのバッファ分析には留意すべき点があり、それを知った上で分析結果を解釈する必要があります。

(1) MANDARAのバッファ分析の特徴

MANDARAでバッファ分析を行う場合、「バッファ領域に含まれる/含まれない」という判定は、バッファ領域にオブジェクトの代表点が含まれるか否かによって決まります。

分析対象が点オブジェクトの場合は、「代表点=点オブジェクト」なので何の問題もありません。ところが、分析対象が面オブジェクトの場合は、バッファ領域と面オブジェクトとの重なり具合にかかわらず、

  • バッファ領域に代表点が含まれる→その面オブジェクトを総取り
  • バッファ領域に代表点が含まれない→その面オブジェクトは完全除外

となるので、注意が必要なのです。

わかりにくいので、具体例を示してみましょう。[甲南GIS26]で示したバッファ分析結果の地図には欠損値となったコンビニが2店みられます。300m圏内人口が「0」ならまだわかりますが、欠損値(データなし)とはどういうことでしょうか?2店のうちの1店、ローソン六甲アイランド東店の300mバッファ領域を示した地図を使って説明します。

ローソン六甲アイランド東店の300mバッファ領域

ローソン六甲アイランド東店の300mバッファ領域

黒い点は、面オブジェクト(町丁目・字区域)の代表点です(背景の地図は小地域人口の階級区分図)。ローソン六甲アイランド東店(青い点)の300mバッファ領域を描いてみると、その中に代表点が1つも含まれていないことがわかります。すなわち、バッファ領域に含まれる面オブジェクトなし=データなし、という結果が出たわけです。ちなみに、欠損値となったもう1店は、ローソン六甲アイランド東店のすぐ隣にあるファミリーマート六甲アイランド東店(緑の点)です。

次は、過大と思われる結果が出た店の例です。

ローソン神戸深江浜店の300mバッファ領域

ローソン神戸深江浜店の300mバッファ領域

ローソン神戸深江浜店のバッファ領域には、深江浜町の代表点がギリギリ含まれています。そうなると、深江浜町の面オブジェクトは総取りとなるため、バッファ圏内人口として深江浜町の人口すべてが集計されます。バッファ領域と深江浜町の面積比を考えれば、これは明らかに過大な推計です。

(2) 面積按分によるバッファ圏内人口の推計

上記のようなケースでは、面積按分による人口推計が多く行われます。ローソン神戸松蔭女子学院店を例に(単に図示するのにわかりやすかっただけ/ローソンばかりなのもたまたまです)、図を使って説明します。

面積按分の例

面積按分の例

ローソン神戸松蔭女子学院店の300mバッファ領域を描くと、いくつかの町丁目・字区域と部分的に重なることがわかります。赤字で示した値は、バッファ領域に含まれる町丁目・字区域の割合(面積比)を示しています。区域内に人口が均等分布していると仮定し(現実的ではないですが)、面積比を利用してバッファ領域に含まれる部分の人口を求め、それらを足しあわせてバッファ領域内人口を推計する、というのが面積按分の考え方です。

今回、MANDARAによるバッファ分析の結果と比較するため、Quantum GIS(QGIS)を使って同様のバッファ分析を行い、面積按分によるバッファ圏内人口の推計を行いました。両者を比較すると、どれくらいの違いがみられるでしょうか?

(3) バッファ分析結果の比較1:基本統計量

まず、MANDARAによる分析結果は以下の通りです。

  • 最大値:8683人(セブンイレブン神戸備後町3丁目店)
  • 最小値:0人(3店、上記(1)の欠損値となった2店を除く)
  • 平均値:4407.3人
  • 標準偏差:2074.8

次に、QGISによる分析結果を示します。

  • 最大値:8233.9人(サンクス灘桜口店)
  • 最小値:0.5人(セブンイレブン神戸摩耶埠頭店)
  • 平均値:4362.0人
  • 標準偏差:1887.7

平均値はそれほど差が出ませんでしたが、最大値・最小値の店をみればわかるように、ランキングには違いが生じています。

(4) バッファ分析結果の比較2:データ全体の傾向

バッファ分析結果(一部)

バッファ分析結果(一部)

上の表はバッファ分析結果の一部です。「面積按分」はQGISによる分析結果を、「MANDARA」はMANDARAによる分析結果を示しています。また、「比」のデータは「MANDARA/面積按分」の計算結果です。この「比」は0.00~4.81の範囲でばらつきがみられました。

では、散布図を描いてデータ全体の傾向を見てみましょう。

散布図と近似直線

散布図と近似直線

MANDARAによる分析結果は全体的に過大になると予想していましたが、バッファ圏内人口が4000人以上の場合には思っていたほど誤差は大きくないという感想です。ただ、やはり下位グループ(3000人未満)はかなりの誤差がみられますね。

(5) まとめ

今回対象にした地域(とりわけコンビニが多く分布している地域)は、各々の町丁目・字区域の面積が小さく、かつ、比較的均等であるため、MANDARAのバッファ分析機能の特徴による影響(過大/過小な推計)はそれほど大きくはありませんでした。しかし、それでも店によっては面積按分による分析結果とかなり大きな差が生じています(面積按分による結果が必ずしも信頼できるわけではありませんが)。

その対策の1つとして、面オブジェクトの代表点を人口重心に設定する、といったことが考えられます。・・・と軽々しく書いてみましたが、実際にはかなり難しそうです。

より現実的な対策としては、町丁目・字単位の人口ではなく、500mメッシュ人口を使うことが挙げられます。だったら最初から使っとけよという話ですが・・・、えーと、すいません、授業の進行の都合上、メッシュ人口を使うところまでたどり着けませんでした・・・(^_^;)

Filed under: GIS, 仕事 and Tagged: GIS, MANDARA, NA-GIS, QGIS, Quantum GIS, 授業, 甲南GIS, 甲南大学
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