今回は、[甲南GIS12]で作成した住所リストを使用してジオコーディングを行い、さらにそれを地図化します。
「地理と情報Ⅰ・Ⅱ」受講者へ:使用ブラウザについて
教室のコンピュータで、Internet Explorerを使ってジオコーディングを行おうとしても、処理が進まずうまくいかないことを確認しています。原因は不明です。この問題の回避策として、ブラウザはFirefoxを使用してください。甲南大学基本メニューの中にある<Mozilla Firefox>アイコンをダブルクリックするか、あるいは、プログラム一覧から<Mozilla Firefox>を選択すれば起動することができます。(2015年5月19日追記)
(1) 住所リストを開く
Excelに入力してある住所リストを開く。([甲南GIS12]ではパン屋のデータでしたが、説明の都合上、今回は兵庫県神戸市東灘区にあるコンビニの住所リストを使用します。)
上の画像のように、住所リストは、A列に住所、B列に名称(店名・地名・場所名など)、C列に種類別の番号(省略可;今回のデータではコンビニチェーンごとに番号をふっている)が入力されているようにする。この列の並び順は重要。
(2) ジオコーディングサービスのウェブページを開く
今回は、埼玉大学の谷謙二先生が提供されている「Geocoding and Mapping」というサービスを利用させていただきます(いつもありがとうございます)。このサービスの概要については、上記リンクからページを開き、トップページの記載を参照してください。
(3) 住所リストをコピー
タイトル行を除き、住所リストの部分をすべて選択してコピー(今回のデータでは2行目以降のA~C列)。
(4) コピーした住所リストを貼り付け
「Geocoding and Mapping」のページに移り、右上の<地名・施設名からジオコーディング・地図化>をクリック。
<住所、施設名等>の下の枠内(下の画像の赤枠)に、コピーした住所リストを貼り付ける。
(5) ジオコーディング前の設定
住所リストを貼り付けた枠のすぐ上にある<並び順>のプルダウンの中から<住所等キー/名称/アイコン番号>を選択。なお、(1)でC列の番号を省略した場合は<住所等キー/名称>を選択。
(6) アイコン名の設定(省略可)
(1)でC列に番号を入力した場合は、アイコン名の設定を行うと良い。<アイコン名>の下の枠内に、「番号,アイコン名」(番号とアイコン名を半角カンマで区切る)の形式で入力する(下の画像を参照)。
(7) ジオコーディング開始
住所リストを貼り付けた枠の下にある<表示>をクリック。データ処理が開始され、処理状況が表示される。
しばらく待つと、処理終了を示すウィンドウが現れる。そこの記載、特に変換エラーの有無に注意を払い、<OK>をクリック。
(8) 変換エラーの確認と修正
変換エラーがあった場合は(エラーがなければ次の(9)に進んでください)、画面を少し上にスクロールし、Googleマップのすぐ上にある<エラー>欄を確認。
エラー内容を確認すると・・・・・・しまった、兵庫県が「丘庫県」に、東灘区が「東難区」になってる!(白々しい) というわけで、エラーの原因となっていた住所の誤り(誤字・脱字、旧字体・異字体の使用、不要な文字列など)を修正し、再度ジオコーディング処理を行う。変換エラーがなくなるまでエラーつぶしを繰り返す。
(9) 変換結果の手動修正
変換エラーがなくなったら、次は変換精度の悪いポイントを手動で修正する。変換精度の悪いポイントは、黄色いビックリマークのアイコンで示されている。
黄色いビックリマークのアイコンを、マウスを使って正しい地点に移動させる。
最終的に、(できれば)すべてのポイントについてチェックし(黄色いビックリマークになっていないが位置がずれているポイントもありうる)、問題がなければジオコーディング完了!なお、(6)でアイコン名の設定を行った場合、Googleマップの下に各々のアイコンの名称が示されている。
(10) 地図をWordに貼り付け
あらかじめWordを立ち上げておく。画面をブラウザに切り替え、画面に地図全体が入るように、また、地図上にすべてのポイントが表示されるように調整。その上で、キーボードの[Alt]キーを押しながら[Prt Sc]キー(Print Screenキー)を押す。ブラウザ画面がコピーされた状態になるので、Wordに移行し、<貼り付け>。Wordにブラウザ画面が貼り付けられる。
貼り付けられた画像には地図以外の余計な部分も含まれているので、そこをトリミングして削除する。
画像をクリックして選択状態にした上で、Wordの上部メニューの右端にある<図ツール書式>をクリックし、その下にある<トリミング>をクリック。
すると、画像の四隅などにトリミングハンドル(下の画像の赤枠内)が現れる。そこにマウスカーソルを合わせるとカーソル形状が変わるので、その状態でトリミングハンドルをマウスで動かし、余計な部分を削る。注意点としては、地図の直下にあるアイコン名の部分(凡例に該当)は残すこと。
トリミングが終わったら、上部の<トリミング>をクリックしてトリミングモードを解除。適宜画像のサイズを調整して、ドキュメント内にうまく収まるようにする。
地図画像の上で右クリック→<レイアウトの詳細設定>を選択すると、<レイアウト>ウィンドウが現れる。<サイズ>タブ内の<倍率>に注目。そこの<高さ>と<幅>が同じ値(%)になっているか確認。もしなっていない場合は、<縦横比を固定する>にチェックを入れた上で、<高さ>と<幅>を同じ値(%)にする。
ここで<高さ>と<幅>が同じ値(%)になっていないというのはどういうことかというと、縦方向(高さ)と横方向(幅)の縮小・拡大率が一致していない、すなわち、地図が縦横いずれかにゆがんでしまっているということです。これは、地図を扱う上でぜったいにやってはいけないことです。無意識に画像サイズを調整すると起こりうることなので要注意です。
以上で作業は終了です(長かった・・・・・・)。
(おまけ) 東灘区にあるパン屋の分布
[甲南GIS12]で作成した兵庫県神戸市東灘区のパン屋の住所リストをジオコーディングすると、以下の画像のような分布になります(リトルマーメイド六甲アイランド店だけ画像から外れています。すみません・・・)。なお、[甲南GIS12]では32店としていましたが、工場で実店舗ではないと思われる2件を削除し、30店のデータを使用しました。