8月2日(火)~5日(金)の4日間、甲南大学で集中講義でした。甲南大学で集中講義を行うのは、昨年度に続いて2回目。密度の濃い時間を過ごし、いろいろ思うこと、考えることがあったので、何回かに分けて書き残しておこうと思います。
今回は、授業の最後に書いてもらった学生の感想に対するリプライ、というか、それらを読みながら思ったことを。なお、感想は、集中講義だけではなく、私の3つの授業を通じて思ったことを書いてもらいました。
最初はGISは難しいものだという印象をもっていました。しかし、この授業を受けて、GISは僕たち学生でも十分理解し得るものだということが分かりました。
すばらしいコメントですね~(笑)。・・・と、ちょっと軽い感じで書きましたが、私にとっては重要なコメントなのです。というのは、甲南大学での3つのGIS授業の一貫したテーマである「誰もが使えるGIS」が、受講生の一部かもしれないけれど、ちゃんと伝わったことがわかったから。他大学で非常勤講師を始めて3年目で、これまで必ずGISの知識・イメージに関するアンケートをとってきましたが、GISというものが思っていたよりもずっと知られておらず、難しいイメージをもたれている現状を知らされます。GISを教えることに関して、当面私は、GISのイメージを変え、裾野を広げることを重視してやっていきたいと考えています。
(改善してほしいところ)授業の際、プリントを配っているのですが、そのプリントが完成しすぎていた点。
ん~、これは難しい。これを書いてくれた学生は、私の説明を聞かず(笑)資料に沿ってどんどん作業を進め、終わったらネットサーフィンしていました(まあ、毎年います、こういう受講生は)。たしかに、私はマニュアルに限りなく近い資料を毎回配付しています。読めば誰でも作業を再現でき、保存版として長く活用してもらいたいと考えているからです。また、現実的な問題としては、そういう資料を配っておかないと、最大20名の受講生(GIS初心者)を1人ではさばき切れません。スムーズな授業運営と歯ごたえのある授業内容の両立は難しいですね・・・。一方で、ついてくるのが精一杯の受講生もいるわけだし・・・。
神戸が中心だったので、それ以外の所もやってみたかったです。
何気ない感想ですが、鋭いところを突いています。今回の集中講義は、前半では全員でデータを整備したり、GPSを持って散歩しながらデータを収集したり、新たな技法を学んだりし、後半はそれらを生かしながら各自作業・分析を進め、ある程度まとまった成果を出してもらう、という形式で進めました。そこで、各自内容もばらばら、地域もばらばらでは集中講義という時間を一緒に過ごしている意味がないので、地域でまとまりをもたせようと、「GISを活用して大学周辺・神戸の環境について調べる」というゆるやかなテーマを設けたわけです。これ自体は、まあまあ成功だったと思います。ただ、多面的に大学周辺・神戸の環境にアプローチし、出てきた成果をまとめることによって(最終回にプレゼンテーションを実施しました)、その環境の全体像が(おぼろげながらも)みえてくる、というところまではもっていけなかったかな・・・。そこまでできれば、また違った感想をもってもらえた、かもしれません。
もっと数字の扱い方や、土地の背景などを知ることができれば、うまく考察などができるだろうなとも思いました。(若干原文修正)
受講生には統計地図やGISによる地域分析の成果をレポートとして提出してもらいましたが、統計処理や地誌・歴史の知識があれば、もっと深い理解や解釈ができたのではないか、という意見。これはその通りで、統計処理に関しては1.5コマほど割いて最低限のケアをしている、つもりなのですが、まあ、ぜんぜん足りませんね、時間も内容も。レポートを読ませてもらうと、地図作成や分析はうまくできているのに、考察が不十分で(あるいは的を外していて)、もったいないなと思うこともしばしば。だけど、裏付けの知識がなかったらしょうがないよね、ということで、そのバックアップをどうするかは今後の課題です。
先生に質問ばっかりして、自分の力になっているかどうか疑問ですが、卒論にはかならず使いたいと思います。
もう少し全体的に時間があればなぁとも思いました。
授業中によく寝てしまい申し訳ございませんでした。
あなたたちは本当によ~く質問をし、私を振り回してくれました(笑)。もう少し話を聞いて(資料を読んで)くれよと思ったこともあったけれど、でも、しーんとしてるよりは、質問してくれたほうがずっと良いです。何がおもしろいのか、どこがわかってないのか、よくわかって、ありがたかったし、楽しかったです。ま、目立つ学生でしたね。この、「目立つ学生」という存在については、思うところがあるので、また次回にでも。
ご家族仲良くして下さい☆
はーい、ありがとうございまーす。