「台湾の図書館」シリーズ、2回目はNational Central Libraryこと、國家圖書館です。ナショナルでセントラルですからねぇ。台湾を代表する図書館の1つです。
場所
中正紀念堂の向かいにある・・・というか、図書館からみて目の前に中正紀念堂が広がっているといったほうがしっくりきます。MRTの最寄り駅は中正紀念堂駅。
外観
中正紀念堂から撮影。高層ではないですが、とても横長の建物です。背後にみえるノッポな建物は新光三越のビル。
入館
入館には閲覧証が必要です(後で詳述)。2階の入口を入って右手にロッカーがあり、持ち物は原則としてすべてここに保管する必要があります。施錠にコインは不要。規定のサイズ以下(かなり小さいです)のバッグとノートパソコン(を入れたケース・バッグ)のみ持込可で、入館前に係員のチェックを受けます。係員のいるカウンターにバーコードリーダがあり、それに閲覧証のバーコードをかざして読み取りが成功したら、ゲートを通って入館します。
閲覧証
ロッカーの反対側、つまり入口を入って左手に「辯證服務」があり、ここで閲覧証を作成します。閲覧証は臨時のものと正式なものの2種類あり、臨時閲覧証はパスポートを提示すれば(あと名前をサインするんだっけ?)すぐにもらえます。ただし、臨時閲覧証はその日だけ(正確には、ゲートインからゲートアウトまで)しか使えないし、いろいろと制限もあります。他方、正式な閲覧証は、外国人も作成可能です。申請書、パスポートのほか、顔写真(履歴書用の証明写真でOK)が必要です。それらを提示すれば、その場でラミネート加工されたカードを作成してくれます。「閱覽證申請」のページに詳細が説明されていますが、一番下にインターネット申請のリンクがありますねー。
やっつけ加工ですみません(笑)。バーコードの下にはカード番号が書かれています。民国101年ってことは、2012年、すなわち今回来てから作成しました。正直に白状すると、これまでは臨時閲覧証でしのいでおりました・・・。
なお、申請書には「単一登入入口網站」のアカウント申請に同意しますか、という欄があります。これは、国家図書館(というか、台湾の図書館?)が提供する各種インターネットサービスに共通アカウントでログインできるというもので、便利なので申請したほうが良いと思います。申請は、四角にチェックを入れて、メールアドレスを記入するだけ(このアドレスがログインIDになります)。あとでメールを確認すると、国家図書館からメールが届いているはずです。そこにパスワードも記載されています。
退館
退館時にも、バーコードリーダにカードをピッとしてからゲートを出ます。正式な閲覧証を持っていれば、何度も出たり入ったりできます。ところが、臨時閲覧証は、一度退館してしまうともう使えません。係員に申し出ればなんとかしてくれるっぽい雰囲気はあるものの、一時退館ができない(非常にやりにくい)デメリットは大きいです。
各フロア
詳細は、「總館各樓層專室簡介」を。いや、入ったことないところもけっこうあるので・・・。ここは国立国会図書館みたいなところと考えて良いかと思いますが、国会図書館と違うのは、開架がけっこうあって自由に資料を手に取れたり、リーディングルーム(スペース)でみなさん思い思いに資料を読んだり自習したり遊んだり(?)しているところです。
コピー
貴重書以外は自由にコピーできます。申請書も不要。各フロアにコピー機があります。コピーカードは、3階のコピーコーナー(10数台のコピー機があります)にいる係員(店員?)に希望枚数を言って購入します。1枚100元と1枚200元の2種類あり(写真参照)。モノクロコピーオンリーだと思います(どこかにカラーコピー機があるのかもしれませんが、私はみたことありません)。サイズにかかわらず、1枚1元です。といっても、ほとんどのコピー機ではA4かB4の2択。A3コピーはできず、また、「B5コピーがしたい人は3階のコピーコーナーへ」という張り紙がありました。
上が100元、下が200元のカード。かわいらしいですね。どちらも「かずのり」ちゃん・・・。
OPAC
自由に使用できる文献検索用のコンピュータが各フロアにあります(2階のリーディングルームが最も多い)。IMEの設定を変更すれば、日本語の入力も可能。ピンイン入力するための設定方法については別エントリで・・・。
書庫所蔵の資料の利用
OPACの検索結果のステータス欄に「典蔵書庫」と表示された資料は書庫に所蔵されています。利用するには、まず検索結果の左端にある<調閲>をクリックします。すると、閲覧証の番号か、あるいは、「単一登入入口網站」のID・パスワードを入力する画面になるので、どちらかを入力。最後にどのフロアで受け取るか(ほとんど2階だと思いますが)などを選択し、OKすれば申請完了です。受け取り可能になったら、2階にあるディスプレイに名前などが表示されるので(これは検索端末でも確認可能)、<取書號>の番号を覚えて(メモして)受け取りカウンターへ。その番号を伝え、閲覧証を提示すれば、資料を受け取ることができます。
雑誌や専門室の資料については、申請カードに氏名や書誌情報などを記入した上で、それぞれのフロアのカウンターでお願いする必要があります。
自習スペース
各フロアの座席は館内資料の閲覧用だと思いますが、明らかに自習してるだろうという人もけっこうみられます。パソコン使用もOK。午前中はともかく、午後は平日でも席が埋まっていることが珍しくありません。本来の自習室は1階にあります(半地下のようになっています)。2階(ゲート内)から直接下りることはできません。また、自習室に入るときにも閲覧証のピッ(省略表現)が必要です。雰囲気を察するに、どうやら自習室ではパソコンを使ってはいけないようです。部屋の片隅に、電源のとれるパソコン用スペースがありますが、とてもせまいので、開館直後に行かないと確保できないと思います。
インターネット利用
2階と3階に、インターネット利用可能なコンピュータがあります。以下の手順で利用します。
- カウンターに行き、そこにあるディスプレイに表示された時刻を選択。どういうことかというと、30分単位で時間が区切られており(9:00、9:30、10:00・・・というように)、選択した時刻から30分間利用できるという仕組みです。すなわち、15:15に「15:00」を選択した場合、15:30までの15分間利用できるということです。先の時刻を選択して予約することもできます。
- <網際網路>と<館内網路>のどちらかを選択。インターネット利用の場合、<網際網路>を選ぶ必要があります。
- 利用したい座席を選択。
- バーコードリーダに閲覧証のバーコードをかざして、ピッ。
- 選択した座席に行き、閲覧証の番号の下4桁を入力すれば、利用できるようになります。
- 小さいウィンドウに、利用可能な時間が表示されます(どんどん減っていきます)。利用を終了するときは、そのウィンドウにある<結束使用>をクリックします。
- 利用終了5分前になると、継続するか終了するか聞いてきます。継続したいときは、その小さなウィンドウにある<續訂>をクリックします。
次に、館内でのWiFi利用ですが、<ncl_reader>というSSIDが利用可能です。ですが、「參考服務規範 可攜式電腦上網說明」のページに書かれているように、<edu><org><gov>ドメインのサイトと図書館が許可したサイトへの接続に制限されています。館外になりますが、1階にあるセブンイレブンの周辺ではTaipei FreeやWIFLYなどの利用が可能。また、同じく1階にあるカフェテリアでもフリーWiFiのサービスをやっているようです(未体験)。
館内コンピュータからの印刷
電子化された碩士・博士論文や雑誌論文などを印刷することができます。これらの電子化についてはまた別エントリで書くとして、ここでは印刷の手順だけ。
- ふだんと同じように、コンピュータ上でドキュメントの印刷を実行。
- 近くのプリンタに行き、コピーカードを挿入。
- そこにあるディスプレイに表示されているジョブの中から、自分のジョブを選択。印刷が開始されます。
食事
上で触れたようにカフェテリアがありますが、なんとなく入りたくなる雰囲気ではないので、一度も行ったことありません・・・。ここを除けば、周辺には食堂やファストフード店は何もないので、7、8分ほど歩き、MRT中正紀念堂駅の1・2番出口のあたりまで行く必要があります。正直めんどくさいので、セブンイレブンで済ますことも多いです・・・。
その他
2階の一角には、台湾の各大学で提出された近年の碩士論文(修士論文)が並んでいます(博士論文は書庫)。みなさんどんどん手に取って、がんがんコピーしているんですね。私もその恩恵を受けつつ、自分の修論がここにあったらと考えるとちょっとおそろしい・・・。
正面右側から。あの丸い紋章(?)、たまらなくかっこいいですね!あのマークが入ったグッズがあったら買うのに(・・・って、台北市立図書館のときと同じこと言ってる)。あ、そういえば、1階にあったブックストアがなくなっていました。
今度は左側から。重厚感があって良いですねぇ。
ほかにも書きたいことがあるのですが、すでに相当な長文になっているので(このブログで最長?)、また稿を改めて・・・。